環境オープンゼミ
エピソードⅧ「3研究会体制と容装法調査」
1997年(平成9年)
2月 環政研・L研ともにプロジェクトの企画を検討
3月 環境オープンゼミ有志メンバー、重油ボランティアへ参加
4月 環政研:容器包装リサイクル法プロジェクトを開始
~「容器包装リサイクル法」をテーマに調査研究活動を展開~
L研:食に関するリーフレットを作成・配布
5月 エコ・リーグギャザリングで自然環境入門ゼミが水質調査で分科会
6月 環政研:足利合宿
7月 環政研: 容器包装リサイクル法ハンドブックを発行
環政研ではこれまでごみ問題を政策的に、またエコビジネスといったテーマも含めて勉強会を行っていた。2月には環境オープンゼミ初代代表で環境庁に勤務している永見靖を迎えて、環境庁と環境行政についてのミニ勉強会をした。また、同月より今後の環政研のあり方を討議し、環政研を
1.「政策」の視点から現在の人間社会を「循環型社会」にしていくための改善策を探り、行政・企業・国際機関による環境保全に根ざした仕組みづくりのあり方を研究する場
2.たしかな問題認識に基づく調査研究活動の成果を実効性ある提言としてまとめ、社会に発信・提案していく場
と位置づけ、目標を
「環境政策に対して建設的な提言(代替案)を出し、環境保全に貢献する人材を目指す。」
ということを掲げた。その上で4月以降、容器包装リサイクル法が翌年に施行されることから、テーマ化することとし、現場の実務家を招いての環境政策ゼミを企画し、法律や経済学からの学問的なアプローチと企業や行政の実務面でなにが起きているのかについて部会を2つにわけて大学横断の環境政策学部をイメージして、計座区的に一つのことを学ぶ企画をしようと考えた。ごみ問題は環境問題に関心のある人は大抵関心のあるテーマであり、企画もやりやすいのでは?という意図があった。また、当時はこの年の12月に開催される「地球温暖化防止京都会議第3回締結国会議(COP3)に向けて青年環境活動を盛り上げようと、エコ・リーグ界隈では「Cool Earth」キャンペーンが結成された。ASEEDはもとより、エコ・リーグの各プロジェクト、きゃんえこまで名を連ねるネットワークで、前年に京都の学生達が結成した「SCOP」という団体も入っていた。環境オープンゼミへもお誘いの依頼はあったが、没我を避けることや、運営上の判断であえて温暖化防止をテーマにせずとの独自路線で企画を進めることに自然的になった。
一方、L研は、「ライフスタイルと食」というテーマで勉強会をしていたが、食のあり方を知ってもらおうと、4月に3色刷りのリーフレットを作り、東京学芸大学の原子栄一郎先生の授業で配布した。その後は休止状態となる。
環政研の容装法の講演会企画は、日程的なもの、また、マンパワーの問題で断念した。その後、開き直って、専門性を持たないと政策提言といってもなかなか相手にしてもらえないのではないかということでまずは現状を調べ、「わかりやすい容装法の本」をつくろうということで「容装法プロジェクト」が開始された。活動コンセプトは「自己充電」であった。責任者は当時、代表幹事の小清水宏如。この法律については行政・企業・市民団体、それぞれに立場に基づいた意見の違いで対立構造にあった。その差異に注目し、この法律はどうあるべきかを学生主体で政策提言しようというものであった。(なお、木村宰もこの調査から参加)
5月に行われた水元公園近くの青年の家で行われたエコ・リーグのギャザリングで環政研は、容器包装リサイクル法で分科会を出展したが、自然環境入門ゼミは長谷川賢と橋本理江が水元公園近くを流れている大場川の水質調査を行う分科会を出展し、かなりの人気を博した。
容装法の各取材は5月から本格的に始まり、「厚生省」「東京都」「三鷹市」といった行政主体、「ペットボトル協議会」「全国清涼飲料工業会」といった事業者主体、「ペットボトルをやめさせる会」の市民団体、「指定法人(財団法人日本容器包装リサイクル協会)」の7団体にメンバーがそれぞれ分担して取材にいき、主張や意見をヒアリングした。また、容器包装リサイクル法の法律の概要、ごみ問題の基本知識、海外事例なども勉強会で発表し、そのレジュメをもとに報告書(冊子)をつくることにした。この頃になって、環政研はこれまで小清水・長谷川コンビばかりが勉強会の発表をしてきたが、環政研メンバーも徐々に発表していくようになり、活動的になっていった。
この報告書(冊子)の編集にあったのが近藤太郎であった。米国留学中に自動車事故にあって一時帰国していた折、容器包装リサイクル法セミナーに来たのがきっかけで入った人である。マッキントッシュで編集作業をし、面白いキャラも幸いして、人気者となる。6月には足利で集中合宿を行い、取材結果を受けて各主体の主張の比較と環境オープンゼミとしての容器包装リサイクル法に関する提言もまとめた。交流も深められ、勉強会も含めた合宿としては「環境オープンゼミ合宿」以来約3年ぶりであった。そして、編集担当の近藤太郎は7月には米国へ戻らなくてはならなかったので、事実上、そこまでが制作の期限であったが、『容器包装リサイクル法から見る社会~利害のないパートナーシップを目指して~』を無事に編集・発行。(ただし、完成したのは渡米後のことであった)。入稿後、打ち上げと近藤太郎のお別れ会を兼ねて盛大に食事会を行った。この冊子は毎日新聞にとりあげられ、一般向けに1冊500円で販売した。ごみ問題の初歩から容器包装リサイクル法、そして社会の中での実態がよくわかるハンドブックとして、「学生がつくった日本で一番わかりやすい容器包装リサイクル法の本」を売り文句にしている。毎日新聞にも掲載され、問い合わせが多数あり、500部刷ったものがすぐになくなってしまった。助成をうけていた自動車グリーンファンドの事務局が大量に購入してくれ、理事会の理事達にも配ったそうである。