環境オープンゼミ
エピソードⅣ 「環境オープンゼミの誕生・永見時代」
1993年(平成5年)
4月 「環境オープンゼミ」誕生
さらに「継続的に環境問題を学ぶ場」として連続講演会を主催。
宇井純氏を皮きりに1996年7月までの約4年間で計21回の講演会を企画運営。
初代 代表に永見靖(上智大学法学部)が就任
1994年(平成6年)
3月 環境オープンゼミ 交流合宿を開催
BTM後、さらに「継続的に環境問題を学ぶ場」として連続講演会をしようということになる。
1.学生が問題意識を刺激しあえる場を作ること
2.環境問題を自主的に学ぶ場をつくること
3.定期的、継続的に環境問題に触れる機会をつくること
という目的の下、「Watcher’s Lab」を発展的解消して、1993年(H5年)4月に連続講演会の名称を「環境オープンゼミ」とし、運営主体を実行委員会として立ち上げた。初代代表に永見靖(上智大学法学部)が就任し、ここに「環境オープンゼミ」が誕生したのである。記念すべき第1回には公害原論の宇井純氏を迎え、「概論 公害問題から環境問題へ」と題する講演会を皮切りに毎月のペースで講演会を企画・運営していった。
年ごとにテーマを決めて、題目を考えていくということで、この年のテーマは「環境問題の歴史を通して考える」に決まる。毎月1回ペースで個別テーマに長年関わってきた専門家を講師として招き、各講演会にはコーディネーターとしてBTMでもお世話になった原剛氏(毎日新聞)・石弘之氏(朝日新聞編集委員)、岡島成行氏(読売新聞)に輪番でお願いするという学生主体としてはかなり濃い内容であった。資金面は庭野平和財団と日野自動車グリーンファンドの2財団から協賛を得ていた。
※なお、この連続講演会は結果的に1996年(平成8年)7月までの約4年間で計21回の講演会を企画運営することになったのである(2・3ページ参照)。
1994年(平成6年)3月23日~25日の2泊3日の日程で環境オープンゼミでは初めての「環境オープンゼミ合宿」を「府中青年の家」で開催。趣旨はこれまでの連続講演会の目的に対し、着実に成果をあげてきたことは事実であるが、同時に残された反省点もいくつかでてきた。それは連続講演会が講義の形にならざるをえず、参加者同士の交流・議論がほとんどできなかったということになった。つまり、話を聞くばかりになり、自主的に発言し、問題意識を参加者同士で刺激しあえる機会が少なかったという反省点である。それを是正するためにこの合宿では4つの分科会にわけて、少人数で議論する形式をとるものであった。プログラムの冒頭挨拶の中にはこんな文面がある。
「…知識がないから議論できない、発言が間違っていたら恥ずかしいから発言したくないという方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことは気にすることはありません。知らなかったら自分の感じることを素直に口にすればいいし、間違っていても次から間違えなければいいんです。議論することによって自分の無知・自分の未熟さを知ること、自分の意見が形成されること、他人と与え合う影響の大きさを感じてほしいと思います。日本の教育システムの中では議論する暇、考える暇が無く、私たちはただ「空のバケツ」になって、水(知識)を入れていければいいだけでした。しかしそれでは主体となって問題に立ち向かう能力は育ちません。いつまでもバケツでいるのはやめましょう。…・」
とにかく「主体的に考えて、自分の意見を言って議論しあおう」とコンセプトでこの合宿が開かれたようである。
参加者は38名であった。(なお、松本明子はこの時に初参加。)全体会では岡島成行氏、福岡克也氏、信夫隆司氏にそれぞれ環境問題に関わるようになった理由、自分の分野における環境問題の位置づけ、環境問題におけるその分野の可能性について基調講演を行い、あとは4つの分科会にわかれてそれぞれで議論した。ただし、運営側は議論だけでなく、スポーツ(どんな種目かは未詳)や散策などを計画。また、夜には理想の「環境党」の綱領・政策などを考える、といったざっくばらんに話してみることも計画した。(実際には「究極の環境問題の定義をさあみんなで考えよう!」となった。)
A分科会「体験から考える環境問題」では環境問題は何の問題で、何がどうダメでどう考える余地があるのか、また、環境教育、自分達が何ができるのかを議論。
B分科会「経済と環境問題」では、環境問題を経済実体のマクロ的なアプローチから貿易を通じて考え、それから、ミクロ的なアプローチから企業にスポットをあて、最後に経済思想的アプローチから経済成長を中心に、外部経済の内部化」を議論。(担当:森野鯉都)
C分科会「法、政治と環境問題」では、環境問題に対し、法や政治ができることとできないことを考え、国内では、国際的にはどういう対策・対応が考えられるかを議論した。最後に、発展途上国における事例を通じて国内問題であるが、外国の影響を無視できない問題を討議。
D分科会「倫理、思想と環境問題」では、なぜ自然(環境)を守るのかを人間と自然との関係について考え、環境問題の背景にある考え方のあるべき姿を議論した。また、ドイツ「緑の党」の思想を学び、実現可能などを考察しながら、議論。(担当:池田玲介・管野暁太)
最終日に全体報告会で終了したが、かなり議論したようだ。運営側はこの企画をきっかけに後継者を集めようというねらいがあったようだが、あまりの議論の深度により、逆に人が残らなかったようだ。しかしながら、この合宿は一昨年前に行ったBTMの理念の延長線上にあるとともに、講演会中心の活動のデメリット部分を解消するという観点からは有意義であった。この時も庭野平和財団と日野グリーンファンドの2財団から助成されていた。